目次
- 「すべて」か「いずれか」の、どちらか一方しか選べない
- 条件を変えるたびに、設定画面を開くことになる
- 一覧が増えると、別の問題が始まる
- 標準機能でできる工夫
- 1. キーワード検索と絞り込みを使い分ける
- 2. 条件を1つのフィールドに寄せる
- 3. 一覧を分けて、命名規則で整理する
- 一覧を増やさずに、その場で絞り込む
- まとめ
「東京の進行中案件と、大阪の完了案件を、1つの一覧で見たい」。kintoneでこれをやろうとすると、標準の絞り込みでは手が止まります。条件は入力できるのに、思ったとおりに絞り込めない。
設定を間違えているわけではありません。kintoneの絞り込みには構造上の制約があり、この条件は表現できない形をしています。この記事では、どこに壁があるのかと、一覧を増やさずに済ませる方法を整理します。
「すべて」か「いずれか」の、どちらか一方しか選べない
kintoneの絞り込み設定では、複数の条件を並べたあと、その扱いを1つだけ選びます。すべての条件を満たす(AND)か、いずれかの条件を満たす(OR)かです。
ここが制約になります。選んだ方が、並べた条件全部に一律で適用されるからです。条件ごとに使い分けることはできません。

冒頭の例をもう一度見てください。「(東京 かつ 進行中)または(大阪 かつ 完了)」——ANDとORが混ざっています。
これを「すべて満たす」にすると、東京と大阪の両方に該当する案件だけになり、ほぼ0件になります。「いずれか満たす」にすると、東京の完了案件も大阪の進行中案件も混ざって出てきます。どちらを選んでも、欲しいものになりません。
条件を変えるたびに、設定画面を開くことになる
もう1つの負担が、条件の変え方です。絞り込みを変更するには一覧の設定を開き、条件を編集し、適用する必要があります。
日常業務で見たいものは、その時々で変わります。「今日は大阪の未着手だけ」「明日は今月納期のものだけ」。そのたびに設定画面を往復するのは、現実的な操作ではありません。
結果として何が起きるかというと、「見たい切り口の数だけ一覧が増える」という状態です。
一覧が増えると、別の問題が始まる
- 一覧のプルダウンが長くなり、目的のものを探すのに時間がかかる
- 似た名前の一覧が並び、どれが正しいのか本人以外に分からなくなる
- フィールドを1つ追加したとき、直すべき一覧が10個ある
- 作った人が異動すると、誰も消せない一覧が残り続ける
一覧を増やすこと自体は悪くありません。問題は、本来「その場の操作」で済むはずのものが「設定」として固定されてしまうことです。一時的に見たいだけの切り口まで、資産として残ってしまいます。
標準機能でできる工夫
1. キーワード検索と絞り込みを使い分ける
一覧上部の検索窓は、設定画面を開かずに使えます。文字列を含むレコードを素早く探すだけなら、こちらのほうが速い。
ただし、これは「含む」の検索です。「今月納期」「金額が10万円以上」のような条件は表現できません。日付や数値で絞りたい場合は、結局は絞り込み設定が必要になります。
2. 条件を1つのフィールドに寄せる
設計側の工夫です。よく使う組み合わせが決まっているなら、それを表す区分フィールドをあらかじめ用意しておくという手があります。
たとえば「東京の進行中」「大阪の完了」といった組み合わせを、ドロップダウンの選択肢として持たせる。こうすれば絞り込みは1条件で済み、ANDとORの混在も起きません。
ただし、組み合わせが増えるほど選択肢が膨らみ、入力の手間も増えます。切り口が固定されている業務でだけ有効な方法です。
3. 一覧を分けて、命名規則で整理する
増えること自体は受け入れて、管理できる形にする方向です。「【営業】東京_進行中」のように頭に用途を付けるだけでも、探しやすさはかなり変わります。
根本解決ではありませんが、すでに一覧が増えてしまった環境では、まずここから手を付けるのが現実的です。
一覧を増やさずに、その場で絞り込む
ここまでの工夫は、どれも「標準の絞り込みの形に、こちらが合わせる」ためのものです。設計で吸収できる範囲なら十分機能します。
それでも合わないのは、切り口が事前に決められない業務です。問い合わせを受けて調べる、その場で条件を変えながら探す——こういう使い方は、設定画面を開く前提の仕組みと相性が悪い。
複数検索プラグインは、一覧画面に検索窓を常時表示して、複数条件での絞り込みをその場で行えるようにするものです。設定画面を開かないので、一覧を増やさずに済みます。モバイルにも対応しているので、外出先から調べる場面でも使えます。購入前に無料で試せます。
まとめ
- kintoneの絞り込みは「すべて満たす」か「いずれか満たす」の二択。条件ごとに使い分けられない
- ANDとORが混ざった条件は、標準では表現できない
- 条件を変えるたびに設定画面を開く必要があり、切り口の数だけ一覧が増える
- 組み合わせが固定なら、区分フィールドに寄せる設計で1条件に減らせる
- すでに増えてしまったら、命名規則を整えるところから
- 切り口を事前に決められない業務では、その場で絞り込める仕組みのほうが向いている
一覧を作る前に「これは全員が繰り返し使う切り口か、自分がいま見たいだけの切り口か」を分けて考えると、増やしすぎを避けられます。前者は一覧に、後者はその場の操作に向いています。。