目次
- 「見た」だけなのに、手元に残る
- 気にする必要があるかは、扱う中身で決まる
- 標準機能でできる対処
- 1. 添付を見せる範囲をアクセス権で絞る
- 2. ダウンロードしたら消す、を運用で徹底する
- 3. そもそもkintoneに添付しない
- 「見ること」と「持ち出すこと」を分ける
- ただし、完全に防ぐことはできません
- まとめ
kintoneに添付した見積書や図面を、ちょっと中身を確認したい。ファイル名をクリックすると、ダウンロードが始まります。見終わったあと、そのファイルは端末のダウンロードフォルダに残ります。
1回なら気になりません。ただ、関連レコード一覧に並んだ10件を順に確認した日には、10個のファイルが手元に増えます。それが毎日続くと、誰の端末にも業務ファイルが積み上がっていく状態になります。
「見た」だけなのに、手元に残る
kintoneの添付ファイルは、中身を確認する手段が実質ダウンロードです。開くという操作が、そのまま複製を作る操作になっています。
厄介なのは、本人に持ち出す意図がないことです。確認しただけ、という認識のまま、実体は端末にコピーされています。

気にする必要があるかは、扱う中身で決まる
社内の共有資料なら、正直それほど問題になりません。困るのは、こういう場面です。
- 取引先の見積書や契約書など、社外に出せない情報を添付している
- 共有端末を複数人で使っていて、前の人のダウンロードが残っている
- 退職・異動のときに、端末に何が残っているか把握できていない
- 個人情報を含む書類を、確認のためだけに全員がダウンロードしている
「持ち出しは禁止」と決めていても、確認のたびにダウンロードが発生する仕組みでは、ルールと実態がずれていきます。運用でカバーしているつもりが、実は毎日破られているという形になりがちです。
標準機能でできる対処
1. 添付を見せる範囲をアクセス権で絞る
kintoneではフィールド単位でアクセス権を設定できます。添付ファイルフィールドを、本当に必要な人だけが見られるようにする方法です。
確実ですが、絞りすぎると業務が止まります。「見る必要はあるが、手元に置いてほしくない」という中間の要求には応えられません。
2. ダウンロードしたら消す、を運用で徹底する
費用はかかりません。ただし人の注意力に依存するので、忙しい時期から順に崩れます。定期的に確認する仕組みまで作れるかどうかで、実効性が変わります。
3. そもそもkintoneに添付しない
ファイルは別のストレージで管理し、kintoneにはリンクだけを持たせる方法です。閲覧権限をストレージ側で細かく管理でき、履歴も追えます。
ただし管理する場所が2つに増えます。「kintoneだけ見れば分かる」という利点は失われるので、規模と体制を見て判断する部分です。
「見ること」と「持ち出すこと」を分ける
ここまでの対処は、どれも「見せない」か「あとで消す」かのどちらかです。しかし現場で必要なのは、たいてい見るのは自由、でも手元には残さないという状態です。
関連レコード添付ファイル表示プラグインは、添付ファイル名をクリックしたときに、ダウンロードせずその場でポップアップ表示します。PDFと画像に対応し、レコード本体の添付・サブテーブル内の添付・関連レコード一覧の添付、いずれも同じように開けます。
ファイルの取得にはkintone標準の仕組みを使い、ブラウザのメモリ上に読み込んで表示します。外部のCDNやライブラリを読み込まないので、社外への通信を嫌う環境でも導入を検討しやすい作りです。設定で「ダウンロードボタンを隠す」こともできます。
ただし、完全に防ぐことはできません
ここははっきり書いておきます。PDFや画像を「表示できる」ということは、ブラウザがそのデータを読み込んでいるということです。読み込まれたものを保存する手段は、技術的に塞ぎきれません。
ダウンロードボタンを隠す設定は、通常の操作での保存を抑止するものです。「絶対に持ち出せない」と説明すると、実態と食い違います。導入を検討する際も、社内に説明する際も、ここは正確に伝えてください。
現実的な効果は、意図しないダウンロードが起きなくなることです。確認するだけの人が、確認するだけで済むようになる。それだけでも、端末に溜まるファイルの量はかなり変わります。「悪意のある持ち出しを防ぐ道具」ではなく、「うっかり増えるのを止める道具」と考えるのが正しい位置づけです。
まとめ
- kintoneの添付ファイルは、中身を確認する手段が実質ダウンロード。見ただけで手元に複製が残る
- 問題になるのは、社外に出せない情報・共有端末・退職時の端末を扱う場面
- 標準機能ならアクセス権で絞る、運用で消す、外部ストレージに逃がす
- 「見るのは自由、手元には残さない」を実現するなら、その場で表示する仕組みが要る
- ただし完全な防止は技術的に不可能。抑止であって禁止ではない、と正しく理解して導入する
添付ファイルの扱いは、ルールを増やすより仕組みを変えたほうが守られます。「確認するだけならダウンロードしない」が自然にそうなる形にしておくと、注意喚起を繰り返さずに済みます。